ゆの里TOP >> コラム「【13】口内環境を整えることで全身を健康に」

【13】口内環境を整えることで全身を健康に

歯科技工士の勉強もされていた吉原さん。

 今回の「人・水・出会い」は、歯ブラシをはじめとした口腔ケア用品の製造販売をしている株式会社エーデンタル専務取締役の吉原正和さんをご紹介します。
 吉原さんは、本紙にも度々ご登場いただいている吉原歯科医院院長 吉原正彦先生のご子息で、吉原先生と共に、歯磨きや咀嚼訓練に関する商品の開発・販売を通じて、口腔内の環境を整えることの大切さを伝え続けておられます。
 二十年以上、「ゆの里」のお水を愛用されているという吉原さんに、歯ブラシや歯磨き、噛むことの重要性についてお聞きするため、大阪府茨木市にある(株)エーデンタル「歯ブラシ専門館」をお訪ねしました。

●このお仕事に就かれたきっかけはなんでしょう

 私は、もともと車のデザイナーを目指していたのですが、歯科医の父に見た目のデザインも大事だけど、機能を高めるとか、もっと奥深く追求するには、一度歯のことを勉強してみたらと言われました。その時は、よく理解できなかったんですが、あとになって歯科技工士の学校に通っていた時、先生に『見た目がきれいだったり、ものすごくリアルなものを作るのは、美術家やアーティストの方が上手だろう。大事なことはそれが患者の身体の一部としてどう機能するかを考えること』と言われたことがあって、その時に父の言葉の意味がよく分かりました。
 その後、父のもとで歯について勉強をするうち、歯磨きや噛むことの重要性を知り、口内環境がいかに全身の健康に影響するかを、医院に来られた患者さんだけでなく、予防歯科として広く一般に伝えていくことを自分の仕事にしたいと考えるようになりました。
 今では、商品の説明だけではなく、歯磨き・咀嚼訓練の指導をしたり、咬合育成、さらには、食育の現場にも出向いて、歯磨き・咀嚼についてのお話をさせてもらっています。

●オリジナル歯ブラシについてお聞かせください

 現在、歯ブラシには多くの種類がありますが、そのどれもが丸い穴に毛が植え込まれてるんですね。それは100年前から変わっていません。それを、父が世界で初めて平穴に植毛して、毛束が刷毛状になった歯ブラシを開発しました。そうすることで刷掃効率が高まり、歯肉マッサージ効果も得られます。
 どんなにクオリティーの高い治療や定期的な健診による予防をおこなっても、セルフケアが適切におこなえていなければ意味がありません。そこで、どうすれば適切なセルフケアを行えるか、長年研究して開発されたこの歯ブラシは、口腔内の環境に応じて仕様を変えられるように植毛形態や材質などあらゆる角度から考えられていますので、年齢や症例に合わせて選んでいただけます。ハンドル部分の材質は、小さなお子様が噛んだりしても安心な天然由来のプロピオネイト樹脂という特殊な素材を使っていて、これは曲げても折れない性質を持っているので安全性も高くなっています。
 また、この歯ブラシは、「神秘の水 夢」を歯磨き剤代わりにしてブラッシングするのにも最適で、父の患者さんも実践して、さまざまな効果を上げています。

●咀嚼訓練のための商品もあるそうですが

噛むトレーニング用具「Cam Cam(カムカム)」

 三十年前から研究してきている「カムカム」っていう商品があります。人間は噛むことで姿勢が良くなったり、目や耳が良くなったり、口は全身とつながってるんですね。口内の乾燥症というのが一番虫歯になりやすいんですが、唾液をよく出すために、これを一日二十分目標に噛んでいただくんです。すると口の中が唾液でいっぱいになって、しかもその唾液がさらさらで口の中がきれいな状態になります。子供さんの場合は噛み合わせの矯正にもなりますし、大人でも顔面の筋肉トレーニング、エクササイズにもなりますので、ほうれい線を予防したり小顔効果も期待できます。
 あとは嚥下障害があって、誤嚥したり痰が絡んだりする方がいるんですけど、これを噛んだ時に舌が吸い付くように入り込むようになってるんですよね。このポケットがあると嚥下障害の方も口の中で舌位置が決まってきますので症状が改善されます。
 唾液が多く出て、その唾液を飲み込むと免疫力が高まりますし、これを噛むことによって顎形成にも役立ちます。これが今後は歯ブラシのようにもっと普及して、生活習慣の中でみんなにモグモグと噛んでもらいたいのです。柔らかいものばかり食べていても、「カムカム」を噛むことで噛む力を補うという感覚で取り入れてもらえればと思っています。
 私は、宇宙開発の場でこの「カムカム」を生かせないかと考えています。宇宙飛行士は、宇宙空間であれだけ体のトレーニングをするのに咀嚼トレーニングはしないんです。重力下の地球で色々な問題が出てきている中、無重力状態での咀嚼、噛み合わせは身体にどんな影響を与えるのか?宇宙ステーションでの生活は、今はまだ長くても一年~三年ですが、将来もっと長期間、あるいは居住となった場合に果たしてどうなるんだろうと。やはり咀嚼訓練は必要ではないかということで、今、関係機関に働きかけをしています。